USBメモリが認識しないときの対処法｜復旧フリーソフトも紹介

認識しないUSBメモリのデータを復元できるフリーソフト

USBメモリのデータが消えた、または認識されなくなった場合、データ復元ソフトを使用することで、失われたファイルを取り戻せる可能性があります。ここでは、USBメモリ復元無料で利用できる信頼性の高いフリーソフトを5つ紹介します。それぞれの特徴や優れた機能、欠点、パフォーマンス、システム要件、サポートされているファイルシステム、そしてユーザーの評判について詳しく解説していきます。

Recuva - シンプルで使いやすい定番ソフト

Recuvaは、イギリスのPiriform社（現CCleaner社）が開発した無料のデータ復元ソフトです。日本語にも対応しており、初心者でも扱いやすいシンプルなインターフェースが特徴です。内蔵ハードディスクはもちろん、USBメモリやSDカードなどの外部メディアから削除してしまったファイルの復元が可能です。ウィザード形式で操作できるため、パソコンに詳しくない方でも安心して使用できます。

優れた機能・欠点

【優れた機能】

• 復元確率の表示機能：ファイルを「高確率（緑）」「中確率（黄）」「低確率（赤）」「復元不可能」の4段階で色分け表示し、復元の見込みが一目でわかる
• プレビュー機能：復元前にファイルの内容を確認でき、必要なファイルのみを選択して復元可能
• 詳細スキャンモード：通常スキャンで見つからない場合、ディープスキャンでより徹底的に検索
• ポータブル版の提供：USBメモリから直接起動でき、インストール不要で使用可能
• セキュア削除機能：復元されたくないファイルを米国国防総省方式で完全削除可能

【欠点】

• 対応ファイルシステムが限定的（主にFAT、NTFS、exFAT、Ext2/3/4）
• 物理障害には対応していない
• 復元率が他の有料ソフトと比較すると若干低い場合がある • 大容量ストレージのスキャンに時間がかかることがある

パフォーマンス

Recuvaは高速に動作し、小〜中容量のUSBメモリであれば数分でスキャンが完了します。ただし、大容量ストレージや詳細スキャンを実行する場合は、30分以上かかることもあります。復元成功率は、削除直後であれば80%以上と高く、時間が経過しているほど成功率は低下します。システムリソースの消費は比較的少なく、古いパソコンでもスムーズに動作します。

ユーザーの評判

Recuvaは長年にわたって多くのユーザーに支持されており、「シンプルで使いやすい」「無料なのに十分な機能がある」といった好意的な評価が多く見られます。一方で、「復元率が期待よりも低かった」「大容量ストレージのスキャンに時間がかかりすぎる」という声もあります。総じて、無料のデータ復元ソフトとしては高い評価を得ています。

4DDiG Free - AI搭載の最新復元ソフト

4DDiG Freeは、Tenorshare社が開発した最新のデータ復元フリーソフトです。最新のAI技術を搭載し、破損したファイルの自動修復機能を備えているのが大きな特徴です。無料版では最大2GBまでのデータを復元できます（SNSでシェアすることで容量が増加）。2000種類以上のファイル形式に対応し、Windows/Mac両方で利用できる点も魅力です。直感的なGUIと高速スキャン機能により、初心者から上級者まで幅広く対応しています。

優れた機能・欠点

【優れた機能】

• AI搭載の自動修復機能：破損した写真や動画を復元と同時に修復可能
• 高速スキャン：独自のアルゴリズムにより、他のソフトより高速にスキャン
• プレビュー機能：復元前にファイルの内容を確認でき、必要なものだけを選択可能
• 2000種類以上のファイル形式に対応：ほぼすべての一般的なファイル形式をカバー
• クラッシュしたシステムからのデータ復元：起動ディスクを作成して復元可能
• RAWドライブからの復元：認識されないドライブからもデータを取り出せる

【欠点】

• 無料版は2GBまでの容量制限あり
• それ以上のデータを復元するには有料版へのアップグレードが必要
• 一部の高度な機能は有料版限定

パフォーマンス

4DDiG Freeは、最新のアルゴリズムを採用しているため、スキャン速度が非常に高速です。中容量のUSBメモリであれば5〜10分程度でスキャンが完了します。復元成功率も高く、特にAIによる破損ファイルの自動修復機能により、他のソフトでは復元できなかったファイルも復元できる可能性があります。システムリソースの使用も最適化されており、スムーズに動作します。

ユーザーの評判

4DDiG Freeは、「使いやすく、復元率が高い」「AIによる修復機能が便利」「スキャンが速い」といった高評価が多く寄せられています。特に、他のソフトで復元できなかったファイルが4DDiGで復元できたという報告が多数あります。一方で、「無料版の容量制限がもう少し多ければ良かった」という声もありますが、総じて非常に満足度の高いソフトとして評価されています。

• 無料のデータ復元ソフト4DDiG Freeをインストールして起動した後、ホーム画面で「ハードディスク」を選択します。「スキャン」をクリックします。（初めは500MB無料、SNSへ共有してさらに1.5GBの無料復元量を取得）



• しばらく待つと、指定した場所にあるすべてのファイルが表示されます。復元前にプレビュー機能を提供します。写真、ビデオ、ムービー、オーディオ、音楽、ドキュメントなど、さまざまなファイルをプレビューできます。



• 右下の「復元」をクリックし、復元したファイルの保存場所を選択し、例えばOneDriveとGoogle Drive、Dropboxなどのクラウドディスクに保存することを検討してください。

iBeesoft Data Recovery - 高復元率の専門ソフト

iBeesoft Free Data Recoveryは、USBメモリやSDカードなどの外部ストレージデバイスからのデータ復元に特化したフリーソフトです。2015年にリリースされて以来、世界中で数百万人のユーザーに利用されています。複数の復元アルゴリズムを活用してメタデータや残存フラグメントを抽出し、データを再構築する高度な技術を採用しています。無料版では最大2GBまでのデータ復元が可能で、1,500種類以上のファイル形式に対応しています。

優れた機能・欠点

【優れた機能】

• 複数アルゴリズムによる高復元率：ファイルシグネチャライブラリを活用し、断片化されたファイルも復元可能
• 1500種類以上のファイル形式に対応：写真、動画、音楽、文書、メールなど幅広く対応
• 破損ファイルの自動修復：スキャン中に破損したファイルを自動的に修復
• RAWドライブ対応：通常アクセスできないRAWドライブからもデータ復元可能
• 削除されたパーティションからの復元：パーティション情報が失われた場合でもデータ抽出可能
• 読み取り専用モード：既存データを上書きせず、安全にスキャン

【欠点】

• 無料版は2GBまでの容量制限あり
• Windows版のみで、Mac版は有料の試用版のみ提供
• インターフェースが英語ベースで、日本語化が不完全
• 大容量ストレージのスキャンに時間がかかる場合がある

パフォーマンス

iBeesoftは複数のアルゴリズムを使用しているため、復元率が非常に高いのが特徴です。特に、メタデータが破損している場合や、上書きされたファイルの復元において優れた性能を発揮します。スキャン速度は標準的で、中容量のUSBメモリであれば10〜15分程度でスキャンが完了します。ユーザーレビューによると、復元成功率は95%以上と非常に高く評価されています。

ユーザーの評判

iBeesoftは、「復元率が非常に高い」「他のソフトでは復元できなかったファイルが復元できた」「破損ファイルの自動修復機能が便利」といった評価を受けています。ユーザーレビューでは、結婚式の写真や家族の動画など、大切なデータを救出できたという感謝の声が多数寄せられています。一方で、「日本語化が不完全で少し使いにくい」という意見もありますが、機能面では高く評価されています。

TestDisk - コマンドライン型の強力ツール

TestDiskは、CGSecurity社が開発したオープンソースのデータ復旧・パーティション修復ツールです。完全無料で利用でき、Windows、Mac、Linux、FreeBSD、OpenBSD、Solarisなど、ほぼすべてのOS環境で動作します。コマンドラインインターフェース（CUI）を採用しているため、初心者には若干ハードルが高いものの、パーティションテーブルの修復やブートセクタの復元に非常に強力な機能を持っています。技術者や上級者の間で広く使用されている信頼性の高いツールです。

優れた機能・欠点

【優れた機能】

• パーティション復旧機能：削除されたパーティションや破損したパーティションテーブルを修復
• ブートセクタ復元：FAT32やNTFSのブートセクタが破損した場合、バックアップから復元または再構築
• 多様なファイルシステムに対応：FAT、NTFS、exFAT、ext2/3/4、HFS+など、ほぼすべての主要ファイルシステムをサポート
• クロスプラットフォーム：Windows、Mac、Linuxなど、あらゆるOS環境で動作
• 完全無料：オープンソースソフトウェアで、無料・無制限で使用可能
• PhotoRecとセット提供：写真や動画の復元に特化したPhotoRecツールも同梱

【欠点】

• コマンドライン操作が基本：GUIがないため、初心者には使いにくい
• 誤操作のリスク：間違ったコマンドを実行するとデータがさらに破損する可能性
• 技術的知識が必要：ファイルシステムやパーティション構造についての深い知識が求められる
• ファイル復元は副次的機能：パーティション修復が主目的で、ファイル復元機能は限定的
• 学習コストが高い：効果的に使用するには、マニュアルを熟読し、コマンドを習得する必要がある

パフォーマンス

TestDiskは、パーティション修復に関しては非常に高い成功率を誇ります。ブートセクタの復元やパーティションテーブルの修復において、他のツールでは対応できない複雑なケースでも解決できることがあります。ただし、ファイル復元に関しては専門的なデータ復元ソフトには及ばない場合があります。スキャン速度は標準的で、ディスク容量に応じて時間がかかります。

ユーザーの評判

TestDiskは、技術者やIT専門家の間で非常に高く評価されています。「パーティションテーブルの復元において最強のツール」「他のソフトでは対応できない複雑なケースでも成功した」といった声が多く見られます。一方で、初心者ユーザーからは「操作が難しい」「間違えると怖い」という意見もあります。総じて、技術的な知識がある方にとっては非常に強力で信頼できるツールとして評価されています。

USBメモリが認識しない場合の対策

USBメモリが認識しない問題に直面した場合、データ復元ソフトを使う前に、まずはエラーの種類を特定し、適切な対処法を試すことが重要です。ここでは、よく発生する3つの代表的なエラーとその対処法について詳しく解説します。

このエラーは、Windowsがパソコンに接続されたUSBデバイスを正しく認識できない場合に表示されます。原因としては、USBポートの問題、ドライバーの不具合、静電気の蓄積、物理的な故障などが考えられます。

【対処法】

1. 別のUSBポートに差し直す

USBメモリを別のポートに接続してみましょう。特にパソコン背面の直接マザーボードに接続されているポートを試すと成功率が高まります。USB 3.0ポートとUSB 2.0ポートの両方を試してみることをおすすめします。

2. パソコンを再起動する

一時的なシステムエラーが原因の場合、パソコンを再起動することで問題が解決することがあります。ただし、何度も再起動を繰り返すと症状が悪化する可能性があるため、1〜2回試して改善しない場合は他の方法を試しましょう。

3. 静電気を放電する

パソコンに静電気が溜まっていると、USBメモリが正しく認識されないことがあります。パソコンをシャットダウンし、電源ケーブルをすべて抜き、ノートパソコンの場合はバッテリーも取り外して10分以上放置してください。その後、再度接続して確認します。

4. 他のUSB機器を外す

複数のUSB機器が同時に接続されている場合、電力供給が不足してUSBメモリが認識されないことがあります。一度すべてのUSB機器を取り外し、USBメモリだけを接続してみましょう。

5. デバイスマネージャーでドライバーを更新

デバイスマネージャーを開き（Windowsキー+Xを押してメニューから選択）、「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」を展開します。不明なデバイスや「！」マークが付いているデバイスがある場合、右クリックして「ドライバーの更新」を選択するか、一度削除してから再接続してドライバーを再インストールします。

6. 接触不良を確認する

USBメモリの端子部分にホコリやゴミが詰まっていないか確認します。ピンセットや専用のクリーナーを使って慎重に取り除きましょう。息を吹きかけるのは、唾液の水分が付着する可能性があるため避けてください。

7. 別のパソコンで試す

可能であれば、別のパソコンでUSBメモリが認識されるか確認します。別のパソコンで認識される場合は、元のパソコンのUSBポートやドライバーに問題がある可能性が高いです。

このエラーメッセージは、USBメモリのファイルシステムが破損している場合に表示されます。データ書き込み中にUSBメモリを抜いてしまった場合や、ウイルス感染、不適切な取り外しなどが原因で発生します。

1. フォーマットをキャンセルする

表示されたメッセージで「キャンセル」を選択し、USBメモリを安全に取り外します。

2. データ復元ソフトを使用する

前章で紹介した4DDiG FreeやRecuvaなどのデータ復元ソフトを使って、USBメモリからデータを復元します。これらのソフトは、フォーマット前のファイルシステムを読み取り、データを救出することができます。

3. CHKDSKコマンドを試す（上級者向け）

コマンドプロンプトを管理者として実行し、「chkdsk X: /f」（Xはドライブレター）を実行します。ただし、物理障害がある場合はこのコマンドで状態が悪化する可能性があるため、慎重に判断してください。

4. ディスクの管理でドライブレターを確認

「ディスクの管理」を開き（Windowsキー+Xを押してメニューから選択）、USBメモリが正しく認識されているか、ドライブレターが割り当てられているかを確認します。割り当てられていない場合は、右クリックして「ドライブ文字とパスの変更」から手動で割り当てます。

5. データ復元後にフォーマットを実行

データ復元ソフトで必要なファイルをすべて救出した後、USBメモリをフォーマットして再度使用できるようにします。フォーマット形式は、用途に応じてFAT32（汎用性高）、exFAT（大容量ファイル対応）、NTFS（Windows専用）から選択してください。

このエラーは、USBメモリが認識されているものの、中のデータにアクセスできない状態を示します。ファイルシステムの破損、アクセス権限の問題、物理的な故障などが原因として考えられます。「ファイルまたはディレクトリが壊れているため、読み取ることができません」といったメッセージが表示されることもあります。

【対処法】

1. セキュリティソフトを一時的に無効にする

セキュリティソフトがUSBメモリへのアクセスをブロックしている可能性があります。一時的にセキュリティソフトを無効にし、USBメモリにアクセスできるか確認します。アクセスできた場合は、セキュリティソフトの設定を見直してください。

2. 管理者権限でアクセスする

アクセス権限の問題が原因の場合があります。エクスプローラーを管理者として実行するか、USBメモリのプロパティから「セキュリティ」タブを開き、現在のユーザーに読み取り権限があるか確認します。

3. ディスクの管理で状態を確認

「ディスクの管理」を開き、USBメモリの状態を確認します。「RAW」と表示されている場合は、ファイルシステムが完全に破損しています。「正常」と表示されているのにアクセスできない場合は、論理障害の可能性が高いです。

4. データ復元ソフトでRAW復元を試す

4DDiG Freeなどのデータ復元ソフトには、RAWドライブからデータを復元する機能があります。これらのソフトを使用して、ファイルシステムを経由せずに直接データを読み取ることができます。

5. TestDiskでファイルシステムを修復する（上級者向け）

TestDiskを使用して、破損したファイルシステムやパーティションテーブルを修復することができます。ただし、コマンドライン操作が必要で、誤った操作をするとデータが完全に失われる可能性があるため、技術的な知識がある方のみ試してください。

6. ウイルススキャンを実行

マルウェアやウイルスがUSBメモリに感染している場合、アクセスが制限されることがあります。最新のセキュリティソフトでフルスキャンを実行し、感染が確認された場合は駆除してください。

7. 専門業者への依頼を検討

上記の方法をすべて試してもアクセスできない場合、物理障害の可能性が高いです。USBメモリ内のデータが非常に重要な場合は、専門のデータ復旧業者に相談することをおすすめします。自己修復を試みると、かえって状態が悪化し、復旧が困難になる可能性があります。

USBメモリが認識しない場合に絶対にやってはいけないこと

USBメモリにトラブルが発生した際、以下の行動は状態を悪化させる可能性があるため、絶対に避けてください。

• 何度も抜き差しを繰り返す：接続部分の劣化や物理障害を引き起こす可能性があります。

• すぐにフォーマットする：データが完全に消去されてしまいます。必ずデータ復元を先に試してください。

• 頻繁に再起動を繰り返す：システムに負担をかけ、問題を悪化させる可能性があります。

• 自己判断でCHKDSKを実行する：物理障害がある場合、状態がさらに悪化する可能性があります。

• 端子に息を吹きかける：唾液の水分が劣化の原因となります。専用クリーナーを使用してください。

• USBメモリを分解する：フラッシュメモリを傷つけ、二度とデータ復旧ができなくなる可能性があります。

まとめ

USBメモリが認識しない、データが消えたといったトラブルは、誰にでも起こりうる問題です。しかし、適切な知識と対処法を知っていれば、多くの場合、自分でデータを復旧することができます。

本記事では、USBメモリのデータ復元には無料で使える信頼性の高いフリーソフトとして、Recuva、4DDiG Free、iBeesoft、TestDiskを詳しく紹介しました。これらはすべてUSBデータ復元完全無料またはフリーで試すことができるソフトです。また、パソコンがUSBを読み込まない場合の具体的な対処法や、USBフォーマット復元の方法についても解説しました。

特に、4DDiG Freeは、AI技術を搭載した最新のデータ復元ソフトで、破損したファイルの自動修復機能や高速スキャン、2000種類以上のファイル形式への対応など、優れた機能を備えています。無料版でも2GBまでのデータを復元でき、初心者でも直感的に操作できるため、最もおすすめのソフトです。

この記事が、USBメモリのトラブルでお困りの方の助けになれば幸いです。データ復元に成功し、大切なファイルを無事に取り戻せることを願っています。